
「製品の魅力を動画で伝えたい」
そう考えたとき、真っ先に思い浮かぶのが実写での撮影です。
しかし、いざ撮影しようとすると、製品の性質や構造、撮影条件によって“できないこと”の多さに直面します。
たとえば、自社製品がある大きな製品の一部だった場合には分解して見せることの難しさがあります。また、仮に分解できたとしても周りは他社製品なので撮影規制がある場合も。さらに、目に見えないナノやミクロの世界の粒子の動き、内部の液体の動きなどの場合はそもそも撮影が困難です。
その他、撮影できない「壁」に関してはこちらの記事でも触れていますのでご覧ください。
もう少しこう見せられたらいいのに–。そんな時にぜひ活用していただきたいのがCG(コンピュータ・グラフィックス)を活用した製品紹介動画です。CGなら、実物を使った撮影では難しい表現を、自由かつ正確に表現できます。
この記事では、CGによって実現できる8つの表現手法のうち、前編として4つの弊社の制作事例をご紹介します。
① 製品の分解:中身を分かりやすく伝える“分解”の表現
実物の製品を分解して撮影するのは、コストや時間がかかるうえに、破損や再組立のリスクも伴います。
特に複雑な部品が多い製品では、撮影のたびに手間がかかることも。
しかしCGでは、製品を任意の順序や角度で分解して表示することが可能です。
一部だけをスローで表示したり、パーツ同士の関係性を強調したりと、見る人にとって理解しやすい形でのプレゼンテーションが実現できます。
下記の制作事例では製品全体の形状から、徐々にパーツが分解されていく様子を表現することで、製品の仕組みを直感的に理解しやすくしています。(01:44〜の表現)
下記の動画も同様に、全体から徐々にパーツが分解されていく様子を表現しています。(02:56〜の表現)
② 内部の動きの説明:見えない動作を「見える化」
「この部品は内部でどう動いているのか?」
「空気や液体の流れはどうなっているのか?」
といった質問に対して、実写では伝えきれない部分をアニメーションで再現できるのもCGの強みです。
たとえば、
- 歯車やモーターの連動動作
- 流体やエネルギーの流れ
など、動きの流れや順番を丁寧に見せることで、製品の価値が視覚的に伝わるようになります。
これは、技術者同士の会話だけでなく、営業や展示会などの場で非専門の相手にも有効なアプローチです。
下記の制作事例では、歯車やモーターの動きを再現しました。(01:20〜の表現)
下記の事例では、左から右に流れる流体が柱にぶつかって渦が発生するという仕組みをアニメーションで表現しています。(01:11〜の表現)
③ 機能や性能の比較:従来機・他社製品との差を一目で可視化
自社製品の優位性を伝える際、「従来品より静か」「他社製より高効率」といったフレーズを使うことは多いですが、言葉だけでは十分に伝わらないケースもあります。
そこで活用できるのが、CGによる機能比較のビジュアル化です。
- 並べて見せるビフォーアフター
- 振動・熱・音などの“見えない違い”を可視化
- 条件をそろえたシミュレーション的な比較
などにより、製品の改善点や競争力をダイレクトに訴求できます。
特に、感覚的に理解しにくい差異を数秒で伝えることができる点は、CG動画ならではの強みです。
下記の制作事例では粒子の動きを再現しながら、一般製品と比較することで本製品の優位性を視覚的に表現しています。(01:42〜の表現)
④ 製品素材の説明:質感や構造をリアルに表現
素材の違いによる性能差、特殊加工の効果、耐熱性や導電性などの説明は、実写だけでは伝えにくいですが、CGでは、単なる形状だけでなく、素材そのものの特性や質感を視覚的に再現することが可能です。
たとえば、
- 素材や性能の特性を断面図のCGにより再現
- カーボン素材や繊維系素材の編み目や織り模様まで再現
- 製品素材の内部を分かりやすい配色で視覚化
といった演出で、“目には見えにくい”製品の強みを可視化することができます。
素材そのものが差別化のポイントになる製品にとって、CGによる材質表現は非常に大きな価値を持つツールとなります。
下記の制作事例では、繊維素材の特殊な編み目をCGで再現。(01:12〜の表現)
下記の例では、説明が難しい断面構造の粒子を2Dイラストアニメーションで表現しています。(0:26〜の表現)
後編では、さらに“伝わる”を極める表現手法をご紹介します
いかがでしたか?
ここまで紹介した①〜④の内容は、CGを導入することで得られる“見せ方の自由度”のほんの一部にすぎません。
後編では、さらに製品の魅力を引き立てる表現手法として、
- 特徴の強調表現
- グラフとの連動
- ミクロ・ナノサイズの表現
- 医療分野への応用
といった内容をご紹介していきます。
後編はこちらをご覧ください。
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