「映像にクレジットを表記したいけれど、書き方が分からない…」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・そもそもクレジットとは?
・映像にクレジットを表記する際の書き方
・映像にクレジットを表記する順番
映像制作の際、クレジット表記をどうすればいいのか迷った経験はありませんか?
映画などを参考にしても多くの項目があるため、どれを表記すればいいか分からない方も多いでしょう。
そこで本記事では、映像にクレジットを表記する際の書き方について、項目や順番をご紹介します。
クレジット表記について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業15年の大阪の映像制作会社、株式会社インディゴの代表。映像業界で20年の経験を誇る。
2006年に単身でオーストラリアに渡り1年弱、現地の映像制作会社の業務に携わり、帰国後に独立しインディゴを創業。
映像に関する、企画、演出、撮影、CG制作など多くの見識があり実績として、クボタ、ダイキン、パナソニック、ハウスウェルネスフーズなど様々な関西大手企業の映像制作を手掛けている。
そもそもクレジットとは?
クレジットとは、出演者や制作スタッフ、関連企業など、映像作品に関わる人の名前や、作中に使用した音楽について字幕で表記することをいいます。
映画を中心に、テレビ番組やCDのパッケージ、ゲームソフトなど、さまざまなものにクレジットが挿入されており、作品に関わったすべての情報を表記するのが特徴です。
クレジットはもともと「信用」という意味があり、作品に関わった出演者やスタッフなどそれぞれの責任者を明確にするという目的で挿入されます。
クレジットは挿入するシーンや、表記方法で呼び方が少しずつ異なるため、それぞれの特徴を覚えておきましょう。
クレジットの種類
クレジットの正式名称は「クレジットタイトル(credit title)」です。
表記するタイミングによって、名称は以下のように異なります。
映像の最初に表記
・オープニングクレジット
映像の最後に表記
・エンディングクレジット
・エンドクレジット
・エンドロール
近年、映画などには最後にまとめた「エンディングクレジット」を用いることが多いですが、一昔前までは最初に「オープニングクレジット」を表記し、最後は「完」で終わる映画が主流でした。
また、ハリウッドなどでは最初に主要な出演者の名前だけを表記し、最後に残りの出演者やスタッフの名前を表記する方法もよく用いられています。
他にも、出演者やスタッフの名前を映像の下から上へ流れるように表記することから、スタッフロールと呼ばれることもあります。
映像にクレジットを表記する際の書き方
映像にクレジットを表記する場合、どのような書き方をすれば良いのでしょうか。
ここでは、一般的によく用いられる項目とそれぞれの英語表記をご紹介します。
出演者
映像に俳優などを起用している場合は、出演者それぞれの名前を表記します。
書き方は、出演者の名前だけを表記するパターンと、役名+出演者の名前を合わせて表記するパターンなどさまざまです。
基本的に主演を目立つようにすることが多く、「主演:〇〇」と表記したり文字サイズを大きくするなどの工夫が施されます。
また、表示時間を長くして主演と他の出演者を差別化することもありますが、明確な決まりはありません。
英語では主演を「Starring」、他の出演者を「Cast」などと表記するのが一般的です。
他にも、映画やTVドラマには特別出演やゲスト出演、友情出演などの表記が用いられたり、エキストラを表記することもあります。
監督
監督は、映像や出演者の演出全体を担うポジションにあたります。
英語では「Directed by 〇〇」や「Director」と表記するのが一般的です。
脚本
映像に関わる脚本を書いた人の名前を表記します。
日本語の場合は「脚本:〇〇」ですが、英語の表記方法は以下の3つです。
・Written by 〇〇(脚本を書いた人 )
・Story by 〇〇(全体のあらすじを書いた人 )
・Screenplay by 〇〇(あらすじにセリフなどを加えた人 )
基本的に「Written by 〇〇」で表記されることが多いですが、脚本のあらすじやセリフなど内容に分けて表記することもあります。
原作・原案
映像の原作や原案がある場合は、名前を表記します。
たとえば、原作が小説の場合「原作:作者名・小説タイトル(出版社)」のように表記するのが一般的です。
英語では、「Based on the novel 小説タイトル by 作者」と表記します。
プロデューサー
プロデューサーは、映像制作全体に関わる責任者です。
英語では、「Produced by 〇〇」や「Producer」と表記します。
製作
製作には、映像に関わった会社名などを表記するのが一般的です。
英語では「Presents」と表記したり、製作総指揮を意味する「Executive Producer」を使用することもあります。
撮影・編集
映像を撮影をしたカメラマンや、撮影後の編集を担当した人の名前を表記します。
英語では、以下のように表記するのが一般的です。
・Director of Photography 〇〇(撮影担当)
・Edited by 〇〇(編集担当)
音楽・主題歌
映像に使用した音楽の作者名や、主題歌などを表記します。
主題歌を表記する場合、歌手名だけを表記したり歌手名+曲名を表記するなどさまざまです。
英語で音楽は「Music by 〇〇」、主題歌は「Theme song」などと表記します。
美術・衣装
映像に使用するセットや小道具などの美術、出演者の衣装を担当する人の名前を表記します。
英語で美術は「Production Designer」、衣装は「Costume Design」と表記します。
Special Thanks
Special Thanksは直訳すると「特別な感謝」という意味になります。
ここまでご紹介した項目は映像制作に直接関わった人の名前を表記しますが、Special Thanksは直接関わっていないものの、作品を支えてくれた大切な人という意味で表記することが多いです。
たとえば、映画制作で監督が良い影響を受けた作品や尊敬する監督を表記したり、撮影の合間に利用した店舗などを表記することもあります。
映像にクレジットを表記する順番
クレジットを表記する順番には、明確な決まりがありません。
しかし、映画など多くの人が関わる作品の場合、クレジットの表記順でスタッフと出演者の間にトラブルが起こることも珍しくないため、適切な順番を考えて表記する必要があります。
一般的な例を挙げると、クレジットの表記順は以下です。
①出演者(主演→準主演→脇役→エキストラ→特別出演・友情出演)
②製作
③プロデューサー
④脚本
⑤音楽
⑥撮影・美術スタッフなど
⑦監督
あくまで一例なので、作品によって順番は異なる場合があり、上記以外にも協賛・協力などさまざまな項目を表記することもあります。
まとめ
本記事では、映像にクレジットを表記する際の書き方について、項目や順番をご紹介しました。
クレジットは明確な書き方が決まっていないため、制作者が自由に表記できます。
表記方法は作品ごとに異なるので、自分の好きな映画やTVドラマなどを参考にクレジットを書いてみると良いでしょう。