映像制作に照明は必須!選び方のポイントとおすすめの機材を紹介

「映像制作に照明は必要?」
「撮影時はどんな照明を使用すればいいの?」

そのようなご質問にお答えします。

本記事の内容
・映像制作において照明が必要な3つの理由
・映像制作に使う照明の種類
・映像制作に使う照明選びのポイント
・映像を効果的に見せる照明技法
・映像制作におすすめの照明機材3選

映像制作を行うにあたって、照明は必要なのか疑問に思ったことはありませんか。

実際、照明機材を活用せず、部屋の照明や太陽光だけで撮影を行っている方もいるでしょう。

しかし、良い映像を制作するためには、照明が必要です。

そこで本記事では、映像制作に照明が必要な理由や照明の種類、照明選びのポイント、照明技法を解説します。

最後にはおすすめの照明機材についてもご紹介していますので、映像撮影用の照明を探している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

映像制作において照明が必要な3つの理由

映像制作において照明が必要な3つの理由

映像制作において、照明の有無は仕上がりを左右する重要な要素です。

ここでは、照明が必要な理由を大きく3つご紹介します。

画質が良くなる

カメラには、「ISO」という光に対しての感度を設定する機能があります。

ISO感度を高く設定すれば、照明を活用しなくても被写体をある程度明るく映すことが可能です。

しかし、高く設定すればするほどノイズが入りやすくなるため、画質の悪い映像になってしまいます。

照明をしっかりと活用すれば、被写体を明るく照らせるため、カメラ自体のISO感度に頼る必要がありません。

高画質のまま撮影でき、映像の画質も良い状態を保てるので、照明は取り入れた方が良いと言えます。

雰囲気の演出ができる

照明は、被写体や空間を明るく照らすだけでなく、雰囲気の演出にも有効です。

たとえば、被写体を照らす照明の位置を変えるだけで、陰の見え方も変わります。

また、照明の明るさを変えることで、被写体の輪郭をはっきりさせたり、ぼんやりさせたりと映り方を変えることも可能です。

カメラの設定や、編集技術などでも雰囲気は変えられますが、照明も演出に関わる大切な要素になります。

色調を調整できる

照明を使えば、色調の調整も可能です。

たとえば、暖色系の照明を用いれば、温かさや優しさといった印象を与えられます。

反対に、寒色系の照明を用いれば、落ち着いた印象になるでしょう。

他にも、カラーフィルターを照明に被せれば、色調は自由に変えられるため、映像制作の幅も広がります。

映像制作に使う照明の種類

映像制作に使う照明の種類

映像制作に使用する照明は、3つご紹介します。

照明の種類①:蛍光灯

蛍光灯は、室内の照明としても使用されていますが、撮影には細長い形状ではなく電球型のタイプを用いるのが一般的です。

太陽光ともなじみやすく、比較的低価格で購入できるため、撮影用として広く使用されています。

また、省エネで電球自体は発熱しないため、扱いやすいのも魅力です。

ただ、蛍光灯は目には見えないスピードで点滅しているため、撮影した映像がちかちかするフリッカー現象を起こす可能性もあります。

シャッタースピードを変更すれば改善できるため、蛍光灯を使用する場合は以下を覚えておいてください。

・東日本(50Hz):1/50秒・1/100秒・1/150秒など
・西日本(60Hz):1/60秒・1/125秒・1/180秒など

撮影する場所やフレームレートの数値でも変わるため、映像を確認しながらシャッタースピードを調整しましょう。

照明の種類②:白熱灯

白熱灯は、別名「タングステンライト」とも呼ばれており、古くから一般家庭でも用いられている照明です。

低価格で気軽に交換できるといった魅力はあるものの、寿命は短く電気代も高くなる傾向にあります。

また、電球自体が発熱してしまうため、長時間の撮影には使えず扱いづらさを感じるかもしれません。

照明の色は温かみのあるオレンジ色なので、シーンによっては活かせます。

しかし、他の照明を使用した方が使い勝手は良いです。

照明の種類③:LED

LEDは、近年一般家庭でも広く普及している照明で、映像撮影用の照明としても主流になりつつあります。

蛍光灯や白熱灯に比べて価格は高くなるものの、長寿命で電気代も安いのが特徴です。

また、発熱もせず光量や色の調整も容易なので、撮影時の照明には一番向いています。

映像制作に使う照明選びのポイント

映像制作に使う照明選びのポイント

映像制作に使う照明を選ぶ際は、5つのポイントを意識してみてください。

定常光を選ぶ

照明は、ストロボやフラッシュのように撮影の瞬間だけ光る「瞬間光」と、一定の明るさを保って光る「定常光」があります。

定常光は別名「ビデオライト」とも呼ばれるように、映像の撮影に特化した照明機材です。

安定した光はもちろん、明るさや位置の調整もしやすいため、映像制作には定常光の照明機材を選びましょう。

消費電力で選ぶ

照明は、消費電力(W)の数値が大きいほど明るくなります。

広い場所での撮影を予定している場合は、消費電力の大きい照明を選びましょう。

反対に、室内の限られた空間で撮影する場合は、消費電力があまり大きくなくても問題ありません。

明るさを調節できる製品も多数販売されているので、複数の場所で撮影する場合は、消費電力の大きい照明を調節しながら使うのがおすすめです。

演色評価数で選ぶ

演色評価数は、照明を被写体にあてた際の見え方に及ぼす影響を指す数値です。

「CRI」という単位で表示され、数値が100に近いほど被写体の色を正確に表現できます。

数値が低いと、本来の色とかけ離れてしまう可能性もあるため、映像の撮影に使用する照明は、CRI93以上のものを選びましょう。

形状で選ぶ

スポットライトのように1点を集中して照らしたり、広範囲を照らすなど、さまざまな形状の照明があります。

照明の形状によって雰囲気は変わるため、映像の内容に合わせて選んでみてください。

たとえば、近年YouTuberの方を中心に人気を集めるリング型のLEDライトは、目の中に光が映り込んで表情を明るく見せてくれます。

インタビュー映像など、撮影の対象が人の場合は、リングライトを活用するのもおすすめです。

照度で選ぶ

照度は、照明から出る光の量を指す「ルーメン」と、照明で照らされた被写体の明るさを指す「ルクス(Lux)」という単位で表示します。

数値が上がるほど照明は明るくなるため、撮影場所や被写体に合わせて選びましょう。

たとえば、近い距離で人を撮影する場合、照度が低くても問題ありません。

また、ロケ撮影を行う場合、日中は照度が低い照明でも問題ありませんが、夕方以降は照度の高い照明の方が撮影しやすいです。

購入後に「照度が足りない」とならないよう、撮影シーンを想像しながら選んでください。

映像を効果的に見せる照明技法

映像を効果的に見せる照明技法

映像をより効果的に見せるための照明技法をご紹介します。

三点照明

三点照明とは、以下の照明を組み合わせて被写体を照らす照明技法です。

【キーライト】
キーライトはメインとなる照明で、最も明るく直接被写体を照らす照明です。

被写体が正面を向いている場合は、斜め45度の位置にキーライトを設置します。

【フィルライト】
フィルライトは、キーライトを照らしてできた陰を和らげるための照明で、補助的な役割です。

キーライトとはカメラを挟んで逆の位置に設置します。

【バックライト】
バックライトは、名前の通り被写体の後ろから照らす照明です。

明るさを確保すると言うより、被写体の輪郭をはっきりさせるために用います。

この3つの照明を組み合わせて、三点照明を作ります。

照明技法の中でも基本的な内容で、人だけでなく商品や料理などさまざまな撮影に活用可能です。

レフ板も有効

先程ご紹介した三点照明は、照明機材を3つ用意しなければいけません。

しかし、予算の問題からあまりお金をかけられない場合もあるでしょう。

そこで有効なのがレフ板です。

レフ板は上手く活用することで、照明の役割を果たしてくれます。

たとえば、フィルライト部分にレフ板を置けば、キーライトを上手く反射してくれるため、照明を複数用意しなくても三点照明が作れます。

また、太陽光をキーライトにして、レフ板で反射させることも可能です。

レフ板は、ホワイトやシルバー、ブラックなどさまざまな色があり、色ごとに雰囲気が変わるため、合う色を使用してみてください。

映像制作におすすめの照明機材3選

映像制作におすすめの照明機材3選

映像制作におすすめの照明機材を、3つご紹介します。

NANLITE Forza 60B

NANLITE Forza 60Bは、世界中で愛されているNANLITEが手がける照明です。

2700K〜6500Kと色温度を調節できる範囲も広く、コンパクトなサイズ感から人気を集めています。

消費電力:60W
演色評価数:CRI96
照度:本体のみ 2246lux・リフレクター付き 13830lux
価格:38,500円(2022年9月現在)

Neewer 660 LEDビデオライト

Neewer 660 LEDライトは、白と黄色のLED電球が330個ずつ搭載されており、3200K~5600Kの間で色温度を調整可能です。

付属のACアダプターで給電したり、別売りのバッテリーを使用すれば屋外でも活用できます。

軽量で持ち運びもしやすいことから、初心者の方にも人気です。

消費電力:40W
演色評価数:CRI96+
照度:3360Lux
価格:10,149円(2022年9月現在)

Pixel G1S LEDビデオライト

Pixel G1Sは、低価格でありながら高性能な照明です。

2500K~8500Kの間で色温度を変更できるだけでなく、360°フルカラーのカラーライトとしても使用できます。

コンパクトなサイズなので、メイン照明ではなくアクセントとして活用するのがおすすめです。

消費電力:12W
演色評価数:CRI97
照度:1500lux
価格:7,999円(2022年9月現在)

まとめ

まとめ

本記事では、映像制作に照明が必要な理由や照明の種類、選ぶ際のポイント、照明技法をご紹介しました。

照明は、映像のクオリティを左右する重要な要素の一つです。

太陽光や部屋の照明でも撮影できるものの、映像のクオリティは低くなる可能性もあるため、撮影環境や内容に合わせて適した機材を用意する必要があります。

本記事を参考に、照明機材を導入してみてください。

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